【作例あり】ニコン 35Ti レビュー

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今回は、ニコンのフィルムカメラ”35Ti”についてご紹介します。

この記事は次のような方におすすめ!

・ニコン35Tiの特徴を知りたい方

・ニコン35Tiの使用感を知りたい方

ニコン 35Tiについて

ニコン35Tiの主な性能は以下の通りです。

発売年月    1993年
発売時価格	125000円
型式      35mmレンズシャッター
画面サイズ   24×36mm、13×36mm(パノラマ撮影時)
レンズ 	NIKKOR 35mm F2.8(4群6枚)
絞り	    F2.8-22
撮影範囲    0.4m~∞
シャッター    プログラムAE電子シャッター、2~1/500秒      
電池種類    CR123A
質 量(g)	320g

1993年発売。

翌年にリリースされた28Tiと共にニコンで発売された唯一の高級コンパクトカメラシリーズです。

同時期にニコンが発売した機種は、

・F50、F70、F90
・New FM2/T
・F3 Limited

などで、初心者向けに発売されたF二桁シリーズのAF一眼レフや80年代に発売されたF3とFM2のリミックス版が市場に投入された時代。

そういった背景の中で誕生した35Tiは異種感がありますが、「うちもその路線(高級コンパクトカメラ)の機種を作れるよ!」という他社へのアピールだったのかもしれません。

35Tiの特徴

続いて35Tiの特徴についてご紹介します。

アナログ指針式の操作パネル

本体上部の操作パネルがアナログで表示されるのが大きな特徴の1つ。

軍艦部には、絞り・撮影距離・フィルム枚数・露出補正が指針表示され、シャッターを半押しすると針が自動で振れる仕組みになっています。

▲①撮影距離②フィルム枚数③絞り④露出補正。このアナログダイヤルが特徴的。撮影枚数は左側の液晶部分でも確認可能。

プログラム撮影時にどれくらいの絞り値で設定されているのかを確認しながら使用すると、状況に応じた適正露出の感覚を掴んでいけるというメリットがあるカメラです。

ちなみに自分の所有する35Tiはフィルム枚数と露出補正が作動しなくなっていますが、撮影時は特に支障なし。中古で購入する際は少なくとも撮影距離と絞りが作動するものを選ぶと良いかと思います。

パノラマ撮影可能

フィルム室側にある切り替えスイッチを変更することで標準撮影→パノラマ撮影に変更できます。

パノラマ撮影は1コマ分の上下を遮光して13×36mmの画像を写し込みます。(標準時は24×36mm)

▲フィルム室の上に切り替えスイッチあり。

このパノラマ撮影は上下を隠しているだけで写っている幅自体は変わらないものとなります。(疑似パノラマ)

▲現像時のパノラマ撮影時のデータ(上)とトリミング後の一枚(下)。黒幕で覆われている部分が標準撮影時の画角となります。

パノラマ撮影をした際は、現像時に店員さんにその旨を伝えましょう!

35mmのNIKKORレンズ

35Tiには、ニコンの名設計者の脇本善司氏によって生み出された対称型レンズが採用されています。

対称型レンズは、

①歪曲(歪みや曲がり)が少ないこと。
②周辺減光が大きいこと。
③倍率色収差が少ないこと。

などが特徴で、レンズにも拘って作られています。

対称型レンズとは

前群・後群に対称なレンズを配置したもの。大画角に有利な凹レンズ群を前後に配置した、凹凸凹(実際のレンズ構成は凹・凸・絞り・凸・凹)の構成。

使い方

ニコン35Tiは主に3種類の撮影方法があります。

▲①プログラム撮影②絞り優先オート撮影③長時間露出撮影。
プログラム撮影

カメラ上部にあるセレクトダイヤルP(プログラム)に設定することで撮影可能になります。

シャッター半押しでピントを合わせて撮影するシンプルな撮影方法です。

シャッターボタンを半押ししている間に露出は変えずにシャッタースピードと絞り値を変更することができます!

絞り優先オート撮影

セレクトダイヤルをA(絞り優先オート)に設定時の機能。

絞りをシャッターボタン横のコマンドダイヤルを使って任意でセットし、シャッタースピードは自動制御となります。

コンタックスT2と同様にシャッタースピードが遅いので、屋外で絞り優先モードで撮影すると露出オーバーになることが多々あります。

長時間露出撮影

ダイヤルをT(タイム)にセットし、コマンドダイヤルで絞りを設定して撮影します。

露光は最長10分まで行うことができ、フィルムカウンター指針は最大50秒まで動作します。

その他

35Tiはスピードライト撮影のやり方が独特で、本体正面にある2つのボタン(強制発光・赤目軽減)を左手で押しながらシャッターを切る形となります。

▲①強制発光②赤目軽減
▲①マニュアル撮影②セルフタイマー撮影③露出補正

フィルムは自動巻き上げです。

今回使ったフィルム

今回はISO感度400でシャープな色再現に定評のある富士フィルムのSUPERIA PREMIUM 400を使用しました。

作例

今回は奈良県の権兵衛桜とその周辺、そして赤城山の南麗にある赤城南面千本桜周辺で撮影してきました。

まずは権兵衛桜周辺の様子から。

NIKKOR×フジの組み合わせはやはり発色が良い。オールドレンズを使ったときにも感じますが、特に原色が濃く表現できます。

逆光で撮った1枚。露出補正はしていなかったですが、しっかり写せています。

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続いて赤城南面千本桜周辺の様子。

チューリップの写真。赤色の部分の輪郭が出ておらず絵の具で塗ったようなベタっとした1枚に。

最後に羊の写真。プログラム撮影で写しましたが思ったよりコントラストもしっかり出ていました。

使ってみての感想

使っていて非常に楽しいカメラです。

アナログの指針が撮影時に連動している様は見ているだけでも面白く、また、ディープな色合いを表現できる点もニコン35Tiならでは。

ストロボ発光・停止モード利用時が若干使いにくさを感じますが、その他に関しては操作性も気になることはなく気持ちよく使えました。

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まとめ

今回は、ニコンのフィルムカメラ35Tiについてご紹介しました。

他にもフィルムカメラ・レンズにつての記事を書いているので、そちらも是非見てみてください。

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