今回は、富士フィルムの広角レンズ「XF 10-24mm F4 R OIS WR」についてご紹介します。

この記事は次のような方におすすめ!
・XF 10-24mm F4 R OIS WRの特徴を知りたい方
・XF 10-24mm F4 R OIS WRの使用感を知りたい方
・XF 10-24mm F4 R OIS WRの購入を検討している方
XF 10-24mm F4 R OIS WRについて
XF 10-24mm F4 R OIS WRの主な性能は以下の通りです。
発売年月 2020年 発売時価格 174,350円(税込み) レンズ構成(群) 10 レンズ構成(枚) 14 絞り羽根枚数 7 最小絞り 22 最短撮影距離(m) 0.24 フィルター径(mm) 72 最大径x長さ(mm)x(mm) 77.6 x 87 質 量(g) 385g
2020年に発売されたXF 10-24mm F4 R OIS WR。

35mm換算で15-36mmのF4通しで、ズームはインナーフォーカス式の広角レンズです。
超広角ズームレンズでありながらカメラ装着時はアンバランスな感じもなく、見た目もすっきりした印象。

インナーフォーカスとは?
中間部のレンズ群を動かしてフォーカスを行う種類のこと。軽く小さなレンズを動かすため、AF(オートフォーカス)の高速化という利点がある。
旧型との違いは?
続いて、2014年に発売された「XF 10-24mm F4 R OIS」と現行の「XF 10-24mm F4 R OIS WR」の違いについてご紹介します。
旧型からの変更点は、
①レンズの軽量化
②手振れ補正の精度向上
③防塵・防滴機能を搭載
この3つ。詳しく説明していきます。
レンズの軽量化
光学設計は旧型から変更せず、ズームリングを細くしたことで25g軽量化しています。(本体は385g)
これは豆腐1丁と同じくらいの重さ。見た目よりも軽い印象を受けます。
自分がメインで使っているXT-3が489gなので、レンズと合わせても874gと非常に軽いです。

XF 10-24mm F4 R OIS WRは10群14枚(非球面レンズ4枚、異常分散レンズ4枚含む)のレンズ構成となります。
手振れ補正の精度向上
従来の2.5段から3.5段に精度が向上しています。
旧型を使用したことがないので単純な比較はしていませんが、不具合なくキッチリ写真を残すことができます。
防塵・防滴を搭載
防塵・防滴機能が追加されたことも変更点の1つ。
多少天気が悪くても気兼ねなく持ち運びできる点においてメリットが大きいです。
XF 10-24mm F4 R OIS WR(2020年発売) | XF 10-24mm F4 R OIS (2014年発売) | |
重量 | 385g | 410g |
最短撮影距離 | 24cm | 24cm |
F値(開放) | F4 | F4 |
手ブレ補正 | 3.5段 | 2.5段 |
絞り羽枚数 | 7枚 | 7枚 |
防塵防滴 | あり | なし |

その他、絞りリングにAポジションロックボタンが新たに採用されています。
新旧のXF 10-24mm F4 R OISについて比較してみましたが、個人的に一番大きなポイントは防塵・防滴機能の有無かと思います。
撮影環境を選ばないことは、カメラを「撮影するための道具」として考えた時に大事な要素になります。
作例
富士フィルムのXT-3との組み合わせで撮影した写真を紹介していきます。

写真は全て撮って出しで手持ち撮影したものとなります!

こちらは朝6時頃に赤岳への稜線上から雲海と朝焼けに染まる横岳を撮影した1枚。

赤城山登山鉄道の廃線跡地の写真。
この先進んで行くと御神水を汲める箇所があり。

屋久島にある落差88mから流れ込む大川の滝。
前日に短時間記録的大雨が降った影響もあり水量が通常時よりも多かったようですが、ベストな位置まで近づいてアオリ構図で撮影した1枚。

インドネシア・東ジャワ州にある千段滝。
天気が良く明るかったのでF16で撮影。絞ってもしっかりと撮影できる実用的なレンズ。

1805年創業のインドネシア・ジャカルタにある老舗カフェ「バタビア」のトイレ。


上の2枚はインドネシア国立美術館の館内で撮影した写真。
スペースを確保しづらい室内空間でも画角に収めることができる点もこのレンズの良さの1つ。


それぞれ夜の台湾で撮影した写真。
1枚目は手前の白い看板に寄って撮影したため奥行を感じる写真に。2枚目は道路の反対側からの撮影。
F4とやや暗いレンズですが昼夜問わず問題なく使えます。

夜の赤岳展望荘。
手持ちで1秒のバルブ撮影で写した1枚。
使用感について
場面問わず幅広い状況で使える点が大きなメリット。
開放から絞りまで解析度が高く、広角レンズ特有の歪みなども少なく感じるレンズです。
また、最短撮影距離24cmと富士フィルムのXマウントのズームレンズの中で最も寄れるレンズの1つという点も魅力。
写真に奥行をつけたり、ダイナミックに後ろをぼかした撮影など工夫次第で色々な表現ができるレンズだと思います。
気になる部分としては、絞りリングが緩い点。
絞りを変更する際は1段ずつカチッと止まるというよりかはスムーズに流れる感じといった印象で、慣れていないと違和感を感じる方もいるかと。
ここは慣れてくると問題ないかなといった感じです。
星空撮影はできる?
登山をする方の中には「星空撮影をしてみたい!」と考えている方も多いと思います。
XF 10-24mm F4 R OIS WRでもバッチリ星空を撮ることができます。


上の写真はブロモ山に登った際のもので、それぞれ平らな場所にカメラを置いて撮影したもの。
「もっと拘って撮影したい!」という方はXF8-16mmF2.8 R LM WRを検討してもよいかと思いますが、星空撮影をメインとしていない自分からしたらこれくらい撮れれば十分かなという感じです。
XF8-16mmF2.8 R LM WRとの比較
最後に類似する画角の「XF 8-16mmF2.8 R LM WR」についても触れておきたいと思います。
XF 10-24mm F4 R OIS WR(2020年発売) | XF 8-16mmF2.8 R LM WR (2018年発売) | |
重量 | 385g | 805g |
最短撮影距離 | 24cm | 25cm |
F値(開放) | F4 | F2.8 |
手ブレ補正 | 3.5段 | 非搭載 |
絞り羽枚数 | 7枚 | 9枚 |
防塵防滴 | あり | あり |
XF8-16mmF2.8 R LM WRは富士フィルムの広角ズームレンズの中で一番画角が広いレンズとなります。
XF 10-24mm F4 R OIS WRと比較すると、
①より広い範囲を撮影できる ②2倍以上の重さ(805g) ③手ブレ補正機能なし ④より明るいレンズ
この辺りが大きな違いとなります。
本体に手ブレ補正機能が付いている富士フィルムのボディを持っていて少々重たいレンズでも気にならないという方や、星空撮影に力を入れてる!という方にとっては充実した1本になるのではと思います。
XF 10-24mm F4 R OIS WRを買うべき人は?
結論、XF 10-24mm F4 R OIS WRを検討している方で、
①外でカメラを使うことを検討している方。 →軽さは正義。持ち出すことに苦にならない。 ②旅や登山時に使うことを検討している方。 →防塵・防滴機能の恩恵は大きい。天気急変時も安心。 ③手ブレ補正の付いてない富士フィルムXシリーズのボディで使うことを検討している方。 →結局、手ブレ補正は便利。
この3つに当てはまる方は購入後に後悔することは少ないかと感じます。
自分自身、富士フィルムXT-3とXF 10-24mm F4 R OIS WRを2021年に購入していて、その時点でXF8-16mmF2.8 R LM WRは既に発売されていました。
開放時35mm換算で12mmという画角、F2.8通しの明るいレンズ、そして防塵・防滴機能搭載ということで購入時の候補として挙がっていましたが、最終的にXF 10-24mm F4 R OIS WRを購入。
購入の決め手になったのは、XF 10-24mm F4 R OIS WRに比べて2倍以上の重さ(805g)であることと手ブレ補正機能がついてなかったから。
登山や旅先などのアウトドアでの使用を想定していたため、軽ければ軽いほど使う機会が増えると考えていたこと。また、XT-3本体に手ブレ補正機能が付いてなく、この機能はあった方が撮影時のストレスも少ないだろうと感じ購入に至りました。

また、今回作例を挙げた屋久島は1か月に35日雨が降ると言われている場所。そして、インドネシアは世界でも指折りの大気汚染が深刻な国と知られていて、カメラで写真を撮る環境としては適してない場所でしたが、神経質になることなく使うことが出来ました、
今回取り上げた富士フィルムの広角レンズはそれぞれ良し悪しがあるので、比較検討して自分にとってベストな選択をしてみてください!


防塵防滴機能は旅先での写真を残したい!という方にとってはマストな機能!
まとめ
今回は富士フィルムの「XF 10-24mm F4 R OIS WR」についてご紹介しました。
購入から5年以上使用していますが、今なお現役バリバリで活躍しているレンズでおすすめできる1本です。
皆さんも是非検討してみてください!
他にも、レンズに関する記事を掲載しているのでそちらも参考にしてみてください。
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