【作例あり】富士フィルム TX-1 レビュー

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今回は、富士フィルムのフィルムカメラ”TX-1”についてご紹介。

この記事は次のような方におすすめ!

・富士フィルムTX-1の特徴を知りたい方

・富士フィルムTX-1の使用感を知りたい方

富士フィルムTX-1について

富士フィルムTX-1の主な性能は以下の通りです。

発売年月    1998年
発売時価格	160000円
型式      35mmレンズ交換式距離計連動カメラ
画面サイズ   24×36mm、24×65mm(フルパノラマ撮影時)
レンズ 	スーパーEBCフジノン バヨネット交換式
        ①45mm F4(6群8枚)
        ②90mm F4(7群9枚)
絞り	    F4-22
撮影範囲    ①②共に0.7m~∞
シャッター    絞り優先AE、マニュアルシャッター、8秒~1/1000秒      
電池種類    CR2×2
質 量(g)	720g

1998年発売。

HASSELBLADと共同開発したモデルで、海外では「X-PAN」という名で知られています。

チタンを使用したボディは、発売から25年以上経つ現在においても古さを感じさせないデザイン。外観はボリュームがある印象ですが、実際に写真を撮ってみるとそこまでの重さを感じません。

コンパクトなデジタルカメラがシェアを伸ばしている90年代後半にレンズ交換式のレンジファインダーを発売する富士フィルム。さすがです。

TX-1の特徴

TX-1の特徴についてご紹介します。

デュアルフォーマット仕様

最大の特徴は標準撮影(24×36mm)とフルパノラマ撮影(24×65mm)が楽しめること。

フルパノラマ撮影は縦のサイズはそのままに、横幅が標準撮影時の1.8倍の65mmで撮影できる本格的なパノラマ撮影が可能となります。

この横幅は、中判カメラの画像サイズ6×6(56mm)と6×7(69mm)同等のものとなります。

TX-1が発売される以前にもパノラマ撮影をできるフィルムカメラは既に存在していましたが、それらは画角の上下を隠しただけで写っている幅そのもは変わっていないもの。

TX-1は”パノラマっぽい”ではなく、本格的なパノラマ写真を楽しむことができます。

▲35mmフィルムカメラでパノラマ撮影した写真。

フルパノラマ撮影時の焦点距離は45mmレンズで長辺25mm相当、90mmレンズで長辺50mm相当となります!

二重像合致方式

TX-1はレンジファインダーを採用していますが、距離計の2重像が明るく見やすいため被写体のピントを合わせやすいのが特徴の1つ。

また、ファインダー内の倍率はレンズ交換時に自動で切り替わる仕組みになっています。

標準撮影⇔フルパノラマ撮影の切り替え時も視野枠が自動で変更されます!

35mmフィルムで撮影可能

一般的な35mmのフィルムを使えることができる点もメリットの1つ。

富士フィルムからはGA645Zなどの中判カメラも発売されていますが、これらは120フィルムを使う必要があります。

現在、この120フィルムは値段が高騰していて5本入り(1本10枚撮り)が1万円前後で発売されているため手軽に撮影を楽しめる環境ではなくなってきています。

TX-1は35mmのフィルムを使えるという点において比較的使いやすいカメラであることも魅力の1つだと思います。

中判カメラとは?

ブローニーフィルム(120フィルム)を使って撮影するカメラ。通常の35mmのカメラよりも画像面積が大きいため、引き延ばした際の画質がキレイであることが特徴。

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使い方

続いて富士フィルムTX-1の使い方についてご紹介します。

絞り優先AE撮影

シャッタースピードダイヤルをAに設定することで撮影できます。

シャッタースピードはカメラが自動で設定します。

マニュアル露出

シャッタースピードダイヤルで任意のシャッタースピードに設定します。

絞り優先AEとマニュアル撮影時はそれぞれファインダー内に露出マークが表示され、確認しやすいです。

【露出表示】
①‐点滅/+点滅 露出連動範囲外
②‐/+     1ステップ以上アンダー/オーバー
③‐●/●+   0.5ステップアンダー/オーバー
④●       適正露出

また、TX-1にはAEB(オートエクスポージャーブラケティング)機能が搭載されていて適正露出を基準に±0.5~1.0の範囲で設定可能で、1回の撮影で明るさの異なる複数枚の写真を記録することが可能になります。

<AEB設定における撮影コマ数>
±0.5/±1.0の設定
→適正露出・アンダー・オーバーの順で3コマの撮影

※シャッターボタンを押し続けると設定に応じて連続してシャッターが切れます。
 (1コマ撮影時にも適応)
セルフタイマー撮影

モード切替レバーを⏱に合わせます。

シャッターを切ると前面セルフタイマーランプが約7秒間点灯。その後、タイマーランプが点灯から点滅に変わった約3秒後にシャッターが切れます。

撮影画面サイズの切り替えについて

フィルム室上の標準/フルパノラマ切り替えロックボタンから変更できます。残りの撮影可能枚数はシャッターボタン横の液晶画面にカウントダウン方式で表示されます。

▲Pに合わせるとパノラマ撮影が可能

なお、標準・フルパノラマ撮影時の撮影可能枚数は下記の通りとなります。

<36枚撮り>
標準撮影/フルパノラマ撮影
(36枚/20枚)
<24枚撮り>
標準撮影/フルパノラマ撮影
(24枚/13枚)
<12枚撮り>
標準撮影/フルパノラマ撮影
(12枚/6枚)

残りフィルム枚数が1コマの際のパノラマ撮影は、シャッターロックがかかり使用できません。

今回使ったフィルム

今回はISO感度400の富士フィルムの35mmカラーネガフィルムを使用しました。

作例

まずは、池袋サンシャイン60展望台から撮影した写真。

富士フィルムのマニュアルレンズを使うのは初めてでしたが、想像以上にエッジの効いた写真を撮れてビックリ!

TX-1用のレンズは3種類(30mm、45mm、90mm)のみの発売というのが惜しいくらいに解析度も高いレンズといった印象です。

続いて、前橋の荻窪公園内のアジサイ。

葉の1枚1枚しっかり撮れています。色合いは過不足なく自然体な印象。

赤堀花しょうぶ園にて手前の花菖蒲にピントを合わせた1枚。

ワイドに撮影できるメリットの1つが奥行を表現できる点。赤堀花しょうぶ園は25000株の菖蒲が縦長にずらっと並んで咲いていますが、こういった場所でのパノラマ撮影は普段撮る写真と差別化できて面白いと思います。

最後に赤城山周辺にある穴場、大猿の滝の写真。

今回は45mmのレンズ(パノラマ撮影時25mm相当)を使用していますが、縦向きで撮影すると滝もダイナミックに撮影可能。

最短撮影距離0.7mと寄って撮影することもできるので、自然撮影で使えるシーンは多岐にわたると思います。

▲滝から25mほど離れて撮った1枚
使ってみての感想

グリップ部分に程よい厚みがあるので持ちやすく、撮影に集中できるというのが使ってすぐに感じたポイント。

また、シャッターを切った際の「ガシャン!ウィーーン。」という機械音も写真を撮ってる実感があり個人的には好きです。

煩わしい操作等は一切なく、ダイヤルの操作感が愛用している富士フィルムのXT-3に凄く似ているので、富士フィルムXTシリーズユーザーであれば感覚も掴みやすいと思います。

中古相場は高騰していてレンズセットの場合50万以上で取引されていますが、他のフィルムカメラでは味わえない画角で撮影できる点は大きな魅力。

他の人とは一味違った写真を撮りたい方や風景写真等をメインで撮影する方に超おすすめのカメラです。

まとめ

今回は富士フィルムのTX-1についてご紹介しました。

コレクションとしてではなく使い倒すことに意義がある実用的なカメラで、旅やアウトドアのお供に最適な機種だなと思います。

皆さんも是非フルパノラマの世界を体感してみてください!

その他にもカメラに関する記事を更新しているので、そちらも是非ご覧ください!

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