【作例あり】富士フィルム”KLASSE”レビュー

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今回は、富士フィルムのコンパクトカメラ、KLASSE(クラッセ)についてご紹介します。

この記事は次のような方におすすめ!

・富士フィルム KLASSEの特徴を知りたい方

・富士フィルム KLASSEの使用感を知りたい方

富士フィルム KLASSEについて

富士フィルムKLASSEの主な性能は以下の通りです。

発売年月    2001年
発売時価格	77000円
型式      35mmレンズシャッター
画面サイズ   24×36mm
レンズ 	スーパーEBCフジノン38mm F2.6(3群4枚)
絞り	    F2.6-16
撮影範囲    0.4m~∞
シャッター   AE電子式レンズシャッター(プログラムAE、絞り優先AE)
                バルブ、1/2秒~1/290秒(F2.6時)、~1/1000秒(F16時)      
電池種類    CR2
質 量(g)	250g

コンタックスT2やニコン35Ti、ミノルタCLEなど1990年代から続く高級コンパクトフィルムカメラの発売の流れが続く中、富士フィルムが満を持して開発したのがこのKLASSE。

KLASSEはドイツ語で”トップクラス”や”エリート”の意味を持ち、高機能・高画質を両立させ手軽に撮影を楽しむために開発された富士フィルムの高級コンパクトカメラシリーズの初代のモデルとして販売されました。

当時の定価は77000円。同時期に発売されたコンタックスT3シルバー(定価9万8000円)よりもリーズナブルな価格帯に設定しているのは、今まで門戸の狭かった高級コンパクトカメラを多くの人に使ってほしいという願望が込められているとのこと。

デジカメが思い出を残す道具としてシェアを伸ばしている時代の中で、初代KLASSEに続きKLASSE W(2006年)KLASSE S (2007年)と立て続けにフィルムカメラを発売する流れを見ると、富士フィルムのフィルムメーカーとしての意地みたいなものを感じます。

KLASSEの特徴

▲KLASSE(左)とT3(右)

続いてKLASSEの特徴についてご紹介します。

露出補正に優れたカメラ

KLASSEはAEB(オートエクスポージャーブラケティング)機能を搭載。適正露出を基準に±0.5~1.0の範囲で設定可能で、1回の撮影で明るさの異なる複数枚の写真を記録することが可能になります。

コマ数を余分に消費するというデメリットがありますが、修正が効かないフィルム撮影時においての保険のような意味合いがある機能なので、撮影ミスをしたくない時に重宝できます。

<AEB設定における撮影コマ数>
±0.5/±1.0の設定
→適正露出・アンダー・オーバーの順で3コマの撮影

※シャッターボタンを押し続けると設定に応じて連続してシャッターが切れます。

AEB設定は、

・シャッターボタンを押し続ける。

・1コマずつシャッターを切る。

ことで有効になります。

豊富なストロボモード

KLASSEには全部で7種類のストロボモードが設定されています。

①自動発光モード
②赤目軽減モード
③ストロボ発光停止モード
④ストロボ強制発行モード
⑤逆光補正モード
⑥夜景(スローシンクロ)モード
⑦夜景(スローシンクロ)ポートレートモード

特にユニークなのが⑤の逆光補正モード。

使用時はストロボ発光停止モードになり、+2.0EV露出補正での撮影となります。雪山や砂浜上などでの撮影にも適していて、ポートレート撮影だけでなくアウトドアアクティビティー時にも重宝できる機能です。

▲逆光補正モード。ストロボモードは液晶部右下のボタンで変更可能。
3群4枚のEBCコーティングレンズ

ガラスモールド非球面レンズを採用することで、レンズ仕様枚数を少なくしていることが特徴。軽さと描写力を両立したレンズになっています。

ガラスモールドとは?

高温で柔らかくした光学ガラスを金型に押し込み成形すること。この技術を活用することで大量生産ができるので、製造コスト削減を実現しやすくなる。

▲T3(上)KLASSE(下)。KLASSE本体は厚みがあってホールド感がありますが、重さ250gと見た目より軽いことも特徴的。
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使い方

電池とフィルムを入れて上部にあるメインダイヤルをP(プログラムモード)もしくは絞り目盛りに設定することで撮影が可能になります。

フルオート撮影

ピント、露出、ストロボなど全てカメラが自動的に設定します。ピントが合ってることを確認してシャッターを切るのみのシンプルな機能で初心者でも手軽に撮影できます。

【設定方法】
①メインダイヤルをPに合わせて電源ON。
②フォーカスダイヤルをAFに合わせる。

<フルオート撮影>
・ピント
→AF(オートフォーカス)
・露出モード
→プログラムAEモード
・ストロボモード
→自動発光モード
絞り優先AE撮影

メインダイヤルで絞り値を自分で決めて撮影する。絞り値に応じてシャッター速度が自動で決定されます。

①絞り値を小さい数値にする(絞りを開ける)
→背景をぼかし、被写体だけにピントが合う。
②絞り値を大きい数値にする(絞りを絞る)
→広い範囲にピントが合う。
マニュアルフォーカス撮影

AFでピントが合わない場合や撮影距離を固定したいときに使用。最短距離0.4mから∞まで10段階設定できます。

▲フォーカスダイヤルロック解除ボタンを押しながら撮影距離を合わせます。

撮影距離が∞の時はストロボ発光停止モードとなります。

その他

フィルムの装填時と撮影後の巻き上げは全て自動化されています。

フィルム巻き上げ後に電源をOFFにしてもレンズが戻らないことがありますが、むやみに操作すると故障の原因となるので電池を入れ直して対応すると良いです。

以上がKLASSEの撮影に必要な基礎的な知識です。

今回使ったフィルム

今回はISO感度400でシャープな色再現に定評のある富士フィルムのSUPERIA PREMIUM 400を使用しました。

作例

今回の撮影場所は奈良県吉野町。

世界文化遺産の金峯山をはじめ、参詣道には様々な寺社仏閣が密集している修験道の聖地。また、吉野山は桜の名所としても知られている場所です。

続いてマニュアルフォーカスで最短距離の0.4mで寄って撮った写真。

ボケ感良くナチュラルな感じです。

そして日本一とも言われる吉野の桜。満開とはいきませんでしたが、”一目千本”と呼ばれる桜は圧巻でした。

最後に日本最古の書院建築と言われている吉水神社での一枚。

実際に見たよりもコントラストの強い仕上がりで良い意味で期待を上回ってきました。

使ってみての感想

良く言えば総合的にまとまったカメラ、悪く言えば凡庸で面白みのないカメラだなというのが率直な印象。

自分の目で見た景色そのものを素直に表現することができ、マニュアルフォーカス撮影も使いやすく外さない写真をたくさん残せます。

使っていて癖がなく状況・場面問わず無難な写真撮影ができる一方で、現像した写真を見返した時にアッと驚くようなインパクトのある写真は少ないといった感じです。

個人的には同じ高級コンパクトカメラを買うのであれば、中古相場の近いコンタックスT2を購入した方がフィルム撮影を楽しめると思います。

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まとめ

今回は富士フィルムKLASSEについてご紹介しました。

操作性に優れていて、オート・マニュアル撮影共に使いやすいモデルで手軽にフィルムカメラを楽しめる製品です。

他にもカメラに関する記事を挙げているのでそちらも是非見てみてください!

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