今回は自分の愛用している山と道の”UL All-weather Hoody”についてレビューします。
今回ご紹介するUL All-weather Hoodyは3シーズン対応可能な軽量化と通気性に特化した個性的な製品で使い方次第で良し悪しがハッキリとする物だと個人的に思っています。
この記事を読んで自分の登山スタイルに必要かそうでないかを判断するキッカケになれば幸いです!
UL All-weatherシリーズ着用歴
自分は山と道の製品を2016年から愛用していて、初期のUL Rain Hoody・UL Rain Pants(2018年製)UL All-weather Jacket(2022年製)そしてUL All-weather Hoodyを使用してきました。
その中でもUL All-weather Hoodyの着用率が圧倒的に高いです。
UL All-weather シリーズの進化について
前作ののUL Rain Hoodyとの変更点は、
①袖丈・袖巾(裾部分の横幅)が長くなりゆとりのある設計にモデルチェンジ 。 →ジャケット内の空気の抜けが以前よりさらに良くなっている。 ②素材の強化 →破れや摩擦等への耐性が上がっている。
また、自分が一番変わったな~と思う点は素材感。前作同様ナノファイバー構造を持つパーテックス・シールドエア(ナイロン100%)を使っている点は同じですが、UL All-weather Hoodyはシャカシャカとした手触りになりました。
この変更によってシワが出来にくくなり、ウェア内側に汚れが付きにくくなりました。
また、商品名がUL Rain からUL All-weatherに変更した点が個人的にポイントだとも思っていて、一般的なレインウェアというカテゴリーではなくなっています。
サイズ感と軽さについて
170cm55kgの自分はSサイズを着用しています。 袖丈・着丈共にジャストサイズ。着丈はバッグからウェアを保護する目的で長めに設定さてています。 インナーとシャツを着ても窮屈感はあまり感じません。
自分の持っているSサイズはメーカー公表で106gと圧倒的な軽さを誇ります。 非常に軽いので着ている感覚がほとんどありません。
また必要最低限の箇所にしか縫い目がないため肩周りも突っ張らずにスムーズに動かせて、着脱もストレスなくできます。
デザインについて
デザインはとてもシンプル!
自分は登山時だけでなくサイクリングをする時や日常生活でも頻繁に着ています。デザインがTHE 登山!という感じのアイテムではないので山でも街でも自然に溶け込みます。
自分も困ったらこれ!といった形で日常から重宝しています。
おすすめの使い方①:ロングトレイル
山を歩き続けるシーンを想定して作られているので、比較的長い距離を歩くことが多い方に適したアイテムだと思います。
個人的にUL All-weather Hoodyの良さを実感したのは屋久島で使用した時。11月末の屋久島(気温17度ほど)で小雨が降ったり止んだりするコンディションで往復22kmの道のりをトレッキング。
道中多少のアップダウンがありますがウェア内に熱がこもりにくいので常にフラットな状態で歩き続けることが可能。そのため立ち止まってウェアを脱ぐシーンはありませんでした。
また、雨への耐性も心配でしたが、終始山の中を歩くことが多い屋久島では直接雨に降られる箇所は少なく多少の雨であれば特に不自由なく行動可能で、「山を歩き続ける楽しさ」を実感できた旅でした。
おすすめの使い方②:ウィンドシェルとして の活用
自分のホームグラウンドである赤城山は一度稜線に出ると爆風が吹き荒れることが日常茶飯事でありますが、そう言ったときに手元にあると非常に重宝します。
自分はよくUL All-weather Hoodyをバッグの外側に引っかけて歩きますが、稜線に出て「少し冷えるな。」と思ったらバッグからサッと取り出して10秒ほどで着ます。
首元とおへそ付近にそれぞれドローコードがあるので、強風の時は両方ともコードを絞り空気の抜けを意図的に悪くすることで体温調節することも可能です。
UL All-weather Hoodyは見た目はシンプルですが、登山時に必要な要素だけを取り込んだ実践的で無駄のない製品です。
ここまでUL All-weather Hoodyの良い点をお伝えしてきましたが、もちろんマイナス面もあります。
ここからは実際に使ってみて感じるデメリットを上げていきます。
デメリット①:撥水性の持続力の低さ
メーカーの方でもアナウンスされていますが軽量性と通気性に重きを置いている分、撥水持続性能は完全防水のレインウェアに比べるとかなり落ちます。
直接雨の当たる環境で歩き続けるとウェアの内側まで水が浸入してきて、インナーまで水が浸入してきます。
そのためUL All-weather Hoodyを雨に強く濡れない純粋なレインウェアとして活用するイメージで購入するとミスマッチが起こりやすくなるかと思います。
デメリット②:体温調節の難しさ
通気性に非常に優れていて常にウェアの中の熱を逃がし快適でフラットな状態を維持するアイテムである一方、気温差の激しい環境下での使用には注意が必要。
7月に御殿場口から富士山日帰り登山で使用した際に着用しましたが、7合目くらいまでは快適に登り続けていたもののそこから先は少し立ち止まると体感温度が一気に下がり疲れがドッと増した経験があります。
その時に身体が冷えてからウェアで体温調整をするのでは遅いのだな。と実感しました。
UL All-weather Hoodyレイヤリング例
①夏の高山ハイク
①山と道:UL All-weather Hoody ②山と道:5-Pocket Shorts ③RIDGE MOUNTAIN GEAR:Merino Basic Tee Long Sleeve
北アルプスなどの高山ハイクにおススメのレイヤリング。
RIDGE MOUNTAIN GEARの薄手のメリノカットソーと山と道の5-Pocket Shortsの軽くて速乾性のあるアイテムとUL All-weather Hoodyの組み合わせ。
②標高1500m~2000m前後の紅葉登山
①山と道:UL All-weather Hoody ②山と道:5-Pocket Pants ③山と道:100% Merino Pullover
寒暖差の大きい10月後半~11月前半のレイヤリング。
保温性の高い中厚手の山と道100% Merino Pulloverと通気性に優れたUL All-weather Hoodyの組み合わせ。
③小雨の降る中でのロングトレイル
①山と道:UL All-weather Hoody ②山と道:5-Pocket Pants ③山と道:Alpha Haramaki ④RIDGE MOUNTAIN GEAR:Merino Basic Tee Long Sleeve
11月末の屋久島トレッキング時のレイヤリング。
行動時間が長くなると気温差が出やすいですが、小物を使うことで快適にトレッキンすることが可能。
まとめ
今回は山と道のUL All-weather Hoodyについてのレビューでした。
山と道を含むULのガレージメーカーの製品全般に言えることですが、ウルトラライトハイクは荷物の軽量化を図ることでより自由に快適なトレッキングをすることに重きがおかれているので、引き算の世界になります。
UL製品を山道具として使い倒すには自分自身とその時々の自然環境を理解して正しい取捨選択をしていくことが必要だなと感じます。
UL All-weather Hoodyは道具を組み合わせる楽しみと選ぶ喜びを与えてくれる逸品です。より快適に自由な登山をする方におすすめです!
皆さんも是非ご検討を!
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